午前2時現場行き夜行バスにて

声優、ジャニーズ、お笑い芸人の3つの界隈に首を突っ込みながら今日もせっせと遠征するオタク。

オタクと初めて買ったCDの話

私のオタク人生は小学5年生から始まる。


そのくらいの年頃になると、何となく大人っぽいことをしたいというか、
例えば自分で服を買いに行きたいだとか、
親とではなくて友達とだけで遊びに行きたいとか、
毎月買ってたちゃおからnicolaに買い替えたいとか(これ今の小学生もそうなのかな)。


そんな私の「やってみたいシリーズ」の中に、「自分で選んだCDを買いたい」があった。
それまで私は特に好きなアイドルとか、歌手とかがいることもなく、ドラえもん→しんちゃん→Mステの流れがあって、何となくMステだけは観てるようなそんな小学生だった。*1


なので、このCDがほしい!となることも特になく、今まで過ごしてきた小学5年生のある日、私は「CDを買いに行きたい!!!」と父親に頼んだ。


父親は特に驚くこともなく、「何のCD買うの?」と私に聞き返した。
CDを買いたいのだから、誰が出している、何という曲のCDがほしいのか、決まっていて当たり前だと思う。だが、この時の私は、「CDを買ったらなんかかっこいいかも」という考えだけで衝動的に動いているのだ。
何のCDを買うかと言われて激しく動揺した。そういえば何も考えていない。



思い返せば、小学1年生の時にもこんなことがあった。
周囲の友達はほとんどみんな習い事をしていたので、「私も何か習い事したい!」と母親に言ったら、承諾してくれた。
直後に「何の習い事やりたいの?」と言われた。
私は、「みんなが習い事をしているから、したい」と思っただけで、「何の習い事をしたいのか」までは考えていなかった。多分、目的と行動が逆転してしまうところがあるというか、そういう仕組みでできてる人間なんだと思う。
結局、視線を巡らせた先に偶然見つけた近所のスイミングスクールのチラシが目に入り、思わず「ここのスイミングやる!」と私は言った。

ちなみにそんな不純な動機で始めた水泳の習い事だったが、なんやかんや小学6年生くらいまで続けた。「自分がやる」と言ったからにはその発言に責任を持たなければ、と思うタイプでもあるからだと思う。運動神経は壊滅的だが、唯一泳げるという特技を偶然にも持つことが出来たのは、今でも結構良かったと思っている。小1の私ありがとう。








CDを買いたい話に戻ろう。
父親に何のCDを買いたいか聞かれ、咄嗟に私は昼間の情報バラエティー番組でやっていた週間CDアルバムランキングを思い出した。1位は何だったか。そうだ、嵐だ。確か嵐というグループの10周年記念アルバムだ。
私は父親に「嵐の新しいアルバムがほしい!」と返答した。

5×10 All the BEST! 1999-2009(通常盤)

5×10 All the BEST! 1999-2009(通常盤)

  • アーティスト:
  • 発売日: 2009/08/19
  • メディア: CD



私は、嵐が好きになった。
習い事をしたかった話同様に不純すぎる動機ではあったが、無事アルバムを手にした私は、毎日のようにアルバムの曲を聴いた。まだポータブルの音楽プレイヤーを持っていなかったので、父親のおさがりのヘッドホンとCDプレイヤーで、歌詞カードを眺めながら聴いた。どの曲も大好きだけど、その当時好きだったのは「言葉より大切なもの」と「きっと大丈夫」だったと思う。歌詞カードを眺めているうちに、嵐のメンバーの中でも櫻井翔くんのことが好きになった。


その後は、何かに夢中になれること、何にも代えがたいくらい好きな曲、好きなアイドルができることってこういうことなんだ、と毎日が輝いているように感じた。その時期の私は、学校内で友達との関係がうまくいかずに悩んでいた。急に遠回しな悪口を言われたり、仲間外れにされたりしたこともあった。そんなことがあって暗い気持ちになった私の支えになってくれたのは嵐だった。私はさらに好きという気持ちを加速させていった。



5×10アルバム発売の2009年以降は、私がハマるだけの条件が整いすぎているほどに、嵐のメディア出演がどんどん増えていた時期だったと思う。特に、バラエティーでの活躍が増えるのは、当時まだジャニオタ初心者だった私にとって音楽番組の次にとっつきやすかった。

VS嵐がゴールデン帯になって全国放送された初回放送をわくわくしながら家のリビングで見た覚えがあるし、嵐にしやがれの初回ゲストのくりぃむしちゅーのお二人とのやりとりも鮮明に思い出せるくらい印象に残っている。
宿題くんはその当時は私のサーチ能力もなくて、特番くらいでしかお目にかかれなかったのが悔しい。ひみつの嵐ちゃんは本当に大好きだった。VIP ROOMに出てくる女優さんが、嵐のメンバーにおもてなしされるのを「羨ましいな~」と思いながら眺めたり、マネキンファイブのHP上投票で「誰がどのマネキン!?」とか言いながら投票したりした。最終回まで観たなあ。当時ひみあらが終わって結構ショックだった覚えがある。*2

あと、今では伝説なのではなかろうかとも思う「局を越えたドラマリレー」があったのもこの年近辺での出来事だった。
相葉くん主演の「マイガール」(テレ朝)最終回に翔くんが出たことを皮切りに、「特上カバチ!」(TBS)の最終回に大野くん、「怪物くん」(日テレ)の最終回に松潤…といった具合に、相葉くん主演のバーテンダー(テレ朝)までこれは続いた。一周した。
当時、まだスマホはおろかまだガラケー主流の時代で、しかもTwitterみたいなリアルタイムでの情報源もなかったので、観てる私からすれば「こんな示し合わせたようなことあるんか!??!?」状態だった。今こんなことをやろうものなら、即Twitterトレンド1位だろう。
しかもこのドラマリレー、何がすごいかと言えば、全クールで必ず嵐のメンバーが必ず誰か出演する状態だったということと、そのドラマの主題歌は全て嵐が歌っていたので、ほぼ3か月に1回はシングルが発売される状態だったということだ。当時の私にとってこれは初めて体験することだったので、なんとなく「すごいな~」くらいの感覚だった。そんなものでは済まされるものではないと今では分かる。






f:id:sasamitof:20200702184010j:plain
その後、「僕の見ている風景」を買ってアルバムは必ず出たら買う、ということを決め、シングル曲のカップリングはアルバムには入らないことに気付いてからはシングルも必ず全形態購入すること*3を決め、ライブDVDを買うともれなく幸せになることに気付き、購入するようになり……と順調に"嵐ファン"となっていった私。今ではその当時のCD・DVDやグッズの多くは手放してしまったけれど、未だに5×10ベストアルバムだけは手元に残している。セロハンテープで角をとめないといけないくらい、何度も繰り返し読んだ歌詞カードを眺めると、初めて何かに夢中になったその時のことを思い出せるような気がするから。



そんな駆け出し嵐ファンだった小学生の私が、中学生になり念願のファンクラブに入会・憧れの国立ライブに参戦・突然の追っかけ熱の消滅…に至るまでのお話は、また次回。

*1:これを書きながらもうこの流れは実在していないことを思い出し震える。

*2:今は夜会になって安定したけど、当時後続番組あんま好きになれなかった。

*3:ちなみに当時はシングル発売が決まると即予約しないと発売日に買うことができないくらい人気だった覚えがある。全形態店頭で並んでるのを見たことがない。